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プレート境界の地震過去20年間の地震の痕跡が描く中国・四国地方のプレート境界の構造と断層
図1は、中国・四国地方(32度‐36度、131.5度‐136度)の区域内に表示した地震の震源地(震央)分布です。震源地とは地震の発生した場所を緯度、経度で示した地理的な位置情報です。その震源地に地震の発生した深さ情報を加えた3次元の位置情報を震源と呼んでいます。これら地震の震源データは、気象庁の全国震源カタログから集めました。1983年1月から2001年9月までに発生した地震の内、マグニチュード(MAG)が3.0以上、深さが300km以下の浅い箇所に発生した地震を集めました。ただし、気象庁震源カタログでは、深さが、90kmより深くなると地震のMAGが殆ど決定されていないので、実質的には90km以下の浅い所で発生した地震を集めている事になります。図の横軸は、経度、縦軸は緯度を表しています。青色の点は、MAGが3.0以上3.5未満で、黒の丸印は、MAGが3.5以上の地震です。1984年以降のMAGが6以上の6個の大きな地震は、赤の丸印、2つの群発地震は、黄の丸印で表示しています。それらは、発生した年代順に、次の様なラベルで識別しています。
図2は、図1の緯度方向の震源分布の断面図です。深さ(km)は、対数スケールで表示してあります。MAGが3.5以上の黒丸印の地震の痕跡(震源分布)は、フィリッピン・プレートの北端がユーラシアプレートの南端下に沈降している状況を示しています。11のラベルが付いた赤色の線形トレンドは、MAGが3.5以上の地震現象に隠れたある規則性が表れる方向です。その規則性とは、地震の予知に利用できる地震が持っているMAGと位置(震源)情報、そして、地震と地震との間隔時間の情報に表れる周期変動のことです。その周期は、ほぼ60イベント(1イベントとは、地震1個の発生)となり、時間的には、ほぼ1年余りに対応します。この様な震源の周期振動の振動方向を地理的な方向に関連ずけると、ほぼ線形トレンドの方向に振動しています。図1では、そのトレンドの方向は、北東−南西方向となります。また、振動の座標原点は、阪神・淡路大震災(神戸地震)の直前までのほぼ700個余りの震源の平均値(緯度34度、経度133.75度、深さ30km)にほぼ等しくなっています。その震源地の平均値は、図1に示された中国地方の地理的な中心的な位置です。 図3は、図1の経度方向の震源分布の断面図です。深さ(km)は、対数スケールで表示してあります。MAGが3.5以上の丸印の震源分布は、フィリッピン・プレートがユーラシア・プレートの下にほぼ円弧状(対数スケールで)に位置している状況を表しています。従って、各プレートは次のようになっています。
図4は、防災科学技術研究所がHi-Netで自動計測した震源データを試験的にオンライン公開していた期間中に、震源データを集め3次元プロットしたものです。中国・四国地方の2000年4月から2001年7月までの微小地震も含めた約39,000個の地震の震源データをプロットしています。 それら集めた地震は、震源の深さが、300km以下の浅い地震です。MAGが3以上の地震の数は、39,000個の地震の約2%です。そして20kmより深い箇所で発生した地震は、約10%です。この10%の地震は、この地域の沈降しているフィリッピン・プレートで発生した地震のようです。それらを、図4上に青色表示しています。濃い青色は、2001/03/24の安芸灘地震(図4ではラベル番号3)と余震の震源分布です。安芸灘地震は、断層が沈降プレート面上を滑り降りるような形で、大きな地震を引き起こした様子がわかります。実は、この地震は、その69日前に、発生した2001/01/12の兵庫県北西部の群発地震が引き起こした地震であった事も判明しています。この群発地震の震源は図4では、ラベル番号2です。そして、その群発地震が発生した断層(地震の痕跡)は、緑色で表示してあります。 その右隣の黄色で表示してある断層は、あの阪神・淡路震災の発生した断層付近に起きた地震の痕跡です。左隣の赤色の断層は、2000/10/06の鳥取県西部地震(図4ではラベル番号1)とその余震が残した地震の痕跡です。 赤、緑、黄、黒色の点で表示されている地震の痕跡は、フィリピン・プレート上に立ち並ぶ超高層ビル群を思い起こさせる断層群です。このような超高層ビルは、2000年9月11日のテロ攻撃により、あの悲惨な熱崩壊を起こしたツインタワーのように、熱崩壊か水に関係した崩壊メカニズム等により意外ともろく崩壊し大地震を起こすのかもしれません。しかし、テロリストの周到な攻撃準備と同様に、自然は、崩壊を起こさせる準備を必ずしているはずです。その様な断層の崩壊は、本質的に確率的な現象ではないと思えます。実際、断層の崩壊が、予測可能である事が、TEC21の地震予知の解析結果から明らかになっています。 地震現象が本質的に確率的な現象であるかも知れないという考え方は、現在、物理学の専門家の間で、最も胸をわくわくさせる考え方の1つだとの高い評価を受けている”self-organized criticality”(SOC)に基づいて自然が地震現象を支配しているという考え方に起因しているようです。つまり、この様な見方に立つと、地震現象は、多くの断層が自分勝手(self-organized)に崩壊の準備していて、崩壊が何時起きてもいい状態にあり、その結果、予測不可能な断層の崩壊が生じている現象である事になります。 しかし、仮に地震現象が、その様な予測不可能だとされる状況下にあっても、対数スケールで周期性を持った振動現象(臨界点の現象におけるログ周期補正と一般的に呼ばれている規則性)が出現し予知が可能となりそうだと主張する地震予知理論の専門家もいらっしゃいます。そのような振動が出現する物理的な背景は異なりますが、実際、それに近い現象は、TEC21も、1992年に三菱重工業の神戸造船所の重機器工具の破損防止のためのインライン工具異常検出のお手伝いした時、現場の工具が破損にいたる過程で観測しています。しかし、その専門家の理論で地震現象を記述するには、その理論物理的な根拠も、観測事実の実証も、私見ですが、今ひとつ普遍性に欠けているのではと思えます。 中国・四国地方、関東・甲信越地方や東北地方に発生した大きな地震を調査してみると、TEC21は、これら地域の地震(崩壊)現象は、カオス現象であると認識しています。今にもおきそうな崩壊の準備状況を、TEC21の予知方法で明らかにすれば、地震予知をする事ができると確信しています。 |
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