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予測と診断

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大きな地震が、何時、何処で発生しそうかを予知できそうです。

2001年3月24日、マグニチュード6.7の安芸灘地震が、瀬戸内海の安芸灘で発生しました。この時、震源地から、北西方向、44kmに位置する広島市佐伯区の広島工業大学の地盤沈降の様子が左図に赤い線のグラフ(軌跡)で示されています。横軸D上にある赤い軌跡の一番右端の位置が、2000年5月の地盤(地面)の位置です。その右端の位置から、赤い軌跡が、左側へミリメートル程の大きさで移動しているのは、地盤が少しずつ沈下している様子を表しています。少しずつ沈下していても、その沈下は加速されています。その加速の大きさの変化が縦軸のAに表されています。沈下を加速するには何か力が加わっています。加速の方向が上下垂直方向(赤い軌跡が上下垂直方向)に変化しているのは、月や太陽の引力によるものです。少し斜め方向に加速が変化しているのは、広島地区の地下深くに潜り込んでいるフィリピンプレートが広島の地盤を地下深くに引きずりこんでいるからです。そのプレートの引きずり込みで、地面が上下方向に変動しながら沈降しています。つまり、全体的に左側へと移動しています。フィリピンプレートは、絶えず地盤を引きずり込んでいるのでなく、時々休みをとります。その休みが、1と2の赤い軌跡の集まりの中に黒い隙間となって表れています。このような地盤沈降に、地震による急なジャンプ(2から3への4cm程の地盤の沈降)が表れています。この地盤沈降の様子は、GEONETの2000年5月から1年間の地殻変動の日々の変位データを解析して描いたものです。

軌跡2の集まりから3への大きなジャンプ、つまり地震が何時発生するかを予測する事は、不可能だとされています。その理由は、地震現象は不規則で、地震の発生時刻や場所を予測する事は、不可能だとされているからです。しかし、この地殻変動には、規則性があります。又地震現象にも異なる規則性が隠れています。これら規則性に表れる微妙な変化を、TEC21は、地震の予兆として検出できるようになっています。その結果、短期の地震予知が可能になり始めました。

地殻変動に表れる規則性は、地球潮汐力(月と太陽との引力)により生じています。安芸灘地震にも、40日前に、その規則性に微妙な変化(予兆)が、表れました。その予兆は、軌跡の集まり2の中に隠れています。規則性に表れる予兆は、通常、ランダムに変化する地殻変動に完全に隠れているため、普通の解析方法を用いて、抽出する事はできません。しかし、TEC21の解析方法を用いると、その様な予兆を確実に検出する事ができます。その結果、マグニチュードがほぼ5以上の地震を数週間前から予知する事が可能となっています。

防災科学技術研究所(オンライン公開)と気象庁業務センター(有料CDやFD)とが提供する地震の震源データを解析すると、地震の発生は、ランダムな現象に見えるかもしれません。しかし、この一見ランダムな現象の背後にも規則性が存在しています。中国・四国地方(1984年から)と関東・甲信越地方(1997年から)の過去の10個余りの大きな地震や群発地震を調査すると、その隠れた規則性に生じる微妙な変化が、今にも発生しそうな大きな地震の予兆になっていました。それら過去の地震の予兆から、地震の発生場所(震源)と発生時刻の予測も、数週間、1年程前から可能であった事が、判明しています。

例えば、あの1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、その震源が5ヶ月前に予測できていました。この予知方法の概略と検証結果は、このサイトでも公開しています。詳細な公開は、ダウンロードエリアや学会誌で順次、公開予定です。また、中国・四国地方の現在の地震予報は、TEC21ニュースと地震予報で公開しています。他の地方の地震予報も公開しています。地震予報の更新は、月間の有料メール配信で行っています。2003年5月26日に発生した宮城県北部のM7地震を取り扱った地震予報サンプルもダウンロード出来ます。

地震現象は、地球の複雑な地殻変動システムが作り出す、一見、不規則に振舞うカオス現象です。その様なカオス現象の代表例には、身近な気象現象があります。気象現象は、余りにも複雑なので、1週間程の日々の天気予報はできますが、その先の予報ができなくなります。TEC21は、その様な複雑なシステムが作り出す不規則な現象の診断や予測をするコンサルタントです。

例えば、システムが、車両や工業機械であれば、システムに異常予兆が発生した瞬間に、その予兆をリアルタイムで検出することができます。従って、発生しそうな異常がシステムの事故や破壊を引き起こす前に、それら事故や破壊を防止できるようになります。TEC21は、この様な異常予知診断を、様々な複雑なシステムに提供できます。

地震予知に使用可能な地殻変動解析や人体の自律神経の状態診断のための解析ソフトウエアー等は個人使用目的に限定し提供する予定です。TEC21の自律神経のリアルタイム診断方法は、医療現場でとても有益である事が期待されています。

 

大きな地震の予知は可能です。

専門的な地震の予報図とその予報図の見方の説明」の項も参照してください。この説明は、米国の物理学会誌、Chaosへ投稿中の論文、(F. Takeda, and M. Takeo, Earthquake Property Time Series: Prognosis of the 1995 Kobe Earthquake")のLead Paragraph の訳です。

プレート境界で発生する大きな地震(EQ)は、ほぼ100年毎に繰り返している事が知られれています。 より小さな地震はその領域のどこかで頻繁におきます。連続して発生する地震と地震との間隔の時間(INT)は、地震を作り出すサイクルに関してある重要な情報を持っています。プレート境界に特有な地震を作り出す異質な環境が、INTを変動させます。しかしながら、その変動は、決定論的なカオスです。私たちの現時点での解析によると、如何なる大きな地震でも、その大きな地震は、予め定まったコースに従って発生します。その解析をINTの時系列(INTを地震の発生順番に並べたデータ列)を使って始めてみます。INTは過去20年間に4.5度x4度の領域の広島地方(中国・四国地方)で観測されたマグニチュード(MAG)が3.5以上の約1700個の地震から作成してあります。 

INTの時系列を20イベントづつ(1イベントは1つの地震の発生のことです)移動平均します。すると、ほぼ1年余りに相当する60イベントの周期性が、大きな余震を除いた時系列上、何処にでも観察されます。その周期変動は、広い領域の地殻変形が、MAGがほぼ5以上の地震を、領域のどこかの断層に作り出すサイクルとなります。その地震は、長いINT後に発生します。長いINTが続く間は、地震活動はゆっくりしています(静穏です)。もし、INTの時系列において、移動平均個数を60個に増やすか、連続した60個のINTを累積して、60イベントより短い周期変動を取り除くと、大きな地震が発生する前に、地震活動の静穏3‐5と一般的に呼ばれている静穏を、60個のINTの累積時系列(CI-60)上で観測できます。

CI-60のグラフに表れるすべての地震活動の静穏には、はっきりとした3つの段階を持った動的な進展があります。その1段階は、まず大きな定常的増加で幅の広いピークを作り出します。次の2段階は、その広がったピーク上に臨界的な小さな鋭いピークを作り出します。最後の3段階では、地震の発生に向けて静穏の急激な終了6,7を迎えます。この様に、CI-60上の地震活動の静穏は、まず最初に、中国・四国地方の広い領域全体に広がります。そして、2段階目の小さな鋭いピークからなる臨界的な静穏(CQ)を局所的な断層に作り、大きな地震を作り出す準備をします。この地震活動の静穏さの動的な進展は、生のINT時系列の2次差分をとると明確になります。離散時系列に施すその数学的な操作は、連続時系列の2次微分と類似しているので、その2次差分は加速度のような物理的な意味を持ちます。

ほぼ60イベントの周期性をもつ加速度を見つける数学的な操作を、地震のDEP(震源の深さ)とMAGの時系列にも適用します。そうすると、CQ(臨界的な静穏)は、DEPとINTの加速度振動波形の位相の反転とMAGの加速度の負の振幅値の状態を持って出現する事が判明します。このDEPとINTの位相反転では、INTの加速度は正のピーク(大部分のCQに対して)か負のピークを持ちます。このCQは、INTの加速度が完全な位相反転直後の、ほぼ半周期後に終了します。

さらに、もし、地震の震源のLAT(緯度)とLON(緯度)で表した震源地の時系列を作成すると、我々は、地震が新たに発生する度に、CQとLAT、LONの時系列で表示される地理的な地震の発生場所の2つの情報の時間的な進展を同時にモニターする事ができます。

そのCQの完全な位相反転を見つけたとき、その大きな地震の震源を予知するのであれば、移動平均した震源(LAT,LON,DEP)の時系列を、CQの出現した時間的な箇所からINTの加速度の半周期イベントまで、線形補間をする事ができます。

又、震源とMAGとの加速度情報は、地震を作り出している領域が、何年にも渡って、如何にして大きな地震を準備しているかを記述します。

我々の地震要素の時系列解析は、物理的、工学的9‐16、経済的なシステムのリアルタイムの予知診断17に於いて、それらシステムから観測されるランダム、或いは、カオス的な変動から、決定論的な性質を抽出することに多くの応用を見つける事でしょう。

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Lead Paragraphに使われた参考文献とノート

  1. k. Sieh, “The repetition of large-earthquake ruptures,” Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93, 3764 (1996).

  2. The EQs are extracted from the Japan Metrological Agency’s National Focus (JMA) Catalog. The JMA catalog of FDs (monthly) and CDs (yearly) used for our analysis has a large number of undetermined magnitudes values if the focus depth becomes deeper than 90 km. The EQs in the Hiroshima area are all shallower than about 100 km so that there are no undetermined magnitudes with MAG ≥ 3.5. 

  3. L. Knopoff, “A selective phenomenology of the seismicity of Southern California”, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93, 3756 (1996).

  4. B. Enescu, and K. Ito, “Some premonitory phenomena of the 1995 Hyogo-ken Nanbu (Kobe) earthquake: seismicity, b-value and fractal dimension”, Tectonophysics 338, 297 (2001).

  5. Q. Hung, and T. Nagano, “Seismic quiescence before the 2000 M=7.3 Tottori earthquake”, Geophys. Res. Lett., 29(12), 1578 (2002).

  6. S. Matsumura, “One-parameter expression of earthquake sequence and its application to earthquake prediction”, J. Seismol. Soc. Jpn. II, 30, 179 (1982).

  7. K. Hamada, “Characteristic features of successive occurrences of foreshock sequences preceding recent major earthquakes in the Kanto-Tokai region, Japan”, Tectonophysics 138, 1 (1987).

  8. The properties used for an EQ are its focus and magnitude and event time. Parameters describing the focal mechanism of the EQ (if they are available from a catalog) can also be put into time series, which may provide a physical picture on the stress fields interacting among faults (or the relative motion of faults and asperities) in the area.

  9. F. Takeda, “A new real-time signal analysis with wavelets and its possible application to diagnosing the running condition of vehicles on wheels”, JSME Inter. J. Ser. C. 37(3), 549 (1994).

  10. F. Takeda, “New real time analysis of time series data with physical wavelets”, Proc. 3rd Experimental Chaos conf. World Scientific 75 (1996).

  11. F. Takeda, S. Okada, M. Imade, and H. Miyauchi, “Diagnosing abnormal operating conditions of rotational machineries and machine tools with physical wavelets”, Proc. SPIE, 4222, 417 (2000).

  12. F. Takeda, “An apparatus detecting changes in motion”, Japanese Patent No.2787143 (1998).

  13. F. Takeda, P. J. Reynolds, and Y. Tsuchioka, “A clinical monitoring of arterial wall motion in noninvasive blood pressure measurement”, Proc. 7th ICBME, National U. of Singapore, 370 (1992)

  14. F. Takeda, M. Yamaguchi, and P. J. Reynolds, “A simultaneous monitoring of brachial and finger arterial wall motions in non-invasive blood pressure measurements”, Proc. 7th ICBME, National U. of Singapore, 561 (1992)

  15. F. Takeda, “Blood pressure measurement apparatus and associate methods”, US patent No.5626141 (1997), UK patent No. GB 2279752 B (1997), French patent No. 2707152 (1999), “Blood pressure and other physiological acquisition apparatus”, Japanese patent No.3044228 (2000).

  16. F. Takeda, “Real time analysis of heart rate rhythms with physical wavelets”, Medical & Biological Eng. & Comp. 35(supp. 1), F83-OS4.04, 530 (1997)

  17. The time series analysis with physical wavelets has been extremely successful in real-time prognoses and diagnoses of industrial heavy machinery9-12 (to prevent catastrophic damages) and some biomedical engineering systems13-16. One of the industrial prognoses finds exactly the same and direct applications to the prognosis of local crust motion monitored by a dense network of global positioning system (GPS)  as shown in Appendix B.

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地震予知情報に使用しているデータは、防災科学技術研究所と国土地理院がオンライン公開している気象庁一元化処理の震源要素と電子基準点のF3座標値です。

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Last Updated : 2015/11/23 11:40