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東北地方

地殻変動

東北地方の最新の臨界サイクルと予兆

.

図5a: 震源分布(LON-LAT)

目次

震源分布

臨界サイクル

  • 東北巨大地震の前後

  • 最新の状態

  • 東北地方の震源分布

    [5a]は、199711日から2012326日までに発生したマグニチュード3.0以上の地震を、気象庁の震源カタログと一元化震源カタログから集めた震源分布である。図の横軸は、経度、縦軸は緯度を表している。水色の点で示された地震の震央は、マグニチュード(M)3.0以上、3.5未満、黒色の丸印の震央は、M3.5以上、5未満、桃色の三角印の震央は、M5以上、6未満、黄色の丸印の震央は、M6以上、7未満、薄茶色の菱形印の震央は、Mが7以上、9未満の地震、薄黄色の四角印の震央は、Mが9以上の地震である。主要な地震には、発生した年代を付記した。同じ年代に発生した地震には、アルファベットのab、cで区別している。それら年代を付記した次の地震の震源情報である。

    年代

    //

    緯度

    経度

    深さ(km)

    M

    1998

    224

    1998/09/03

    39.803

    140.905

    7.86

    6.2

    2001a

    584

    2001/08/14

    40.993

    142.44

    37.69

    6.4

    2001b

    613

    2001/12/02

    39.396

    141.267

    121.5

    6.4

    2003a

    791

    2003/05/26

    38.818

    141.654

    72

    7.1

    2003b

    926

    2003/07/26

    38.402

    141.174

    11.9

    6.4

    2005a

    1281

    2005/08/16

    38.151

    142.28

    41.6

    7.2

    2005b

    1347

    2005/12/02

    38.073

    142.353

    40.3

    6.6

    2008

    1669

    2008/06/14

    39.03

    140.881

    7.8

    7.2

    2010

    2110

    2010/07/05

    39.657

    142.653

    34.5

    6.4

    2011a

    2197

    2011/03/10

    38.271

    142.879

    28.9

    6.4

    2011b

    2201

    2011/03/11

    38.103

    142.861

    23.7

    9

    2011c

    2714

    2011/04/07

    38.204

    141.92

    65.9

    7.5

     [5b]は、[5a]の震源分布の経度方向の断面図で、震源の深さ方向の分布を、logスケールを用いkmで表示してある。また[5a]の年代を付記した地震も、[5b]に年代を付記した。プレート境界に発生する震源分布の経度方向の断面図は、太平洋プレートの西端が大陸プレート下に沈下している形態を表している。

    歪エネルギーの蓄積と解放のサイクル(臨界サイクル)

    6aの説明:

    東北巨大地震のM9が発生する前の東北地方のM3.5以上の地震の平均的な発生率から、平滑は、移動平均個数を60イベントとした時系列d(INT,m)>の過去の最大値が1となるように規格化した時系列を、NCI(,6)とする。同様に、d(DEP,m)>を規格化した時系列を、NCD(,60)とする。規格化に用いた2つの時系列の過去14年間の最大値d(INT,m)maxと最大値d(DEP,m)maxは、次に与えられる。

  • m = 582 (2001/08/01)の時、<d(INT,m)max = 107.808時間、

  • m = 856 (2003/05/28)の時、<d(DEP,m)max = 69.75667 km

  • これら最大値が1となるように規格化したINTの時系列<d(INT,m)>とDEPの時系列<d(DEP,m)>とを、それぞれ、NCI(m,60)NCD(m,60)とする。これら時系列は、それぞれが歪エネルギー密度に比例する。NCI(m,60)NCD(m,60)とを、図6aグラフ表示した。

    左側の縦軸目盛は、NCI(m,60)NCD(m,60)の相対目盛である。又、右側の縦軸のMAGとラベル付けした6以上の目盛は、時系列d(MAG,m)MAG6以上になると、その値を矢印の高さに変換表示したグラフ目盛である。更に、MAG6以上のd(MAG,m)を、破線矢印でグラフ(NCD(m,60)NCI(m,60))付近まで延長し、大地震発生との同期関係を、明確にした。右側の縦軸目盛にLONとラベル付けされている目盛りの範囲は、震源パラメータの時系列d(LON,m)を点グラフにした、経度の目盛範囲、138度〜143度に相当する。横軸は、各グラフに共通な時間mで、地震の発生順番を示すインデックスである。大地震の余震や群発地震は、震源が略同じなので、それら余震や群発地震の震源の経度は殆んど変化しない。従って、d(LON,m)の点グラフの変動は無くなる。ただし、東北巨大地震の場合は、断層形状が大きく余震発生領域が拡がるので、点グラフは変動する。マグニチュードが6以上の主な大地震には、その発生年代を、d(MAG,m)矢印に表記した。発生年代が同一の場合は、アルファベットab、cを付加した。

    6aNCD(m,60)NCI(m,60)、のピークが、大地震発生の直前(矢印の少し前)から、減少し始めている。M7.1の大地震2003a(発生日=2003/05/26LAT=38.818度、LON=141.654度、DEP=72km)の震源の深さDEPは深い。従って、NCD(m,60)は、M7.1 地震発生直後から増加し最大ピークに到達する。しかし、そのピークは、震源の浅いM6.4地震2003b (発生日=2003/07/26LAT=38.402度、LON=141.174度、DEP=11.9km) とその前震の発生前から、減少し始めている。

    東北巨大地震発生前後の臨界サイクル:[6c]

    6cの説明:

    6cは、実施した期間の199712日から2011510日までを2分割し、移動平均数40イベントと狭くし、大地震や巨大地震との同期関係の観察の解像度を上げた例である。これら時系列の過去14年間の最大値は、次の値となる。

  • m = 570 (2001/06/25)の時、<d(INT,m)max = 114.48時間

  • m = 855 (2003/05/28)の時、<d(DEP,m)max = 70.77 km

  • これら最大値が1となるように規格化した時系列NCI(m,40)NCD(m,40)とを表示した。

    6cは、20061227(m=1500)から、2011510(m=3000)までである。これらグラフ表示、大地震のラベル、各目盛の表示方法は、移動平均数=60の場合の図6aと同一である。唯一の違いは、図6cに表示した東北巨大地震2011b発生直後から、NCI(m,40)10倍拡大表示した事である。この拡大したNCI(m,40)は、図6aNCI(m,60)から明確に抽出できなかった大きなM7.5余震(2011cとラベル表示したm=2713で発生した余震、もしくは、大地震)の発生との同期関係を、明確にした。このM7.5地震の発生日と震源は、(2011/04/07LAT=38.204度、LON=141.92度、DEP=65.9km)であった。発生後、時系列[d(LON,m)]の変動が少なくなっているので、このM7.5 の大地震は、巨大地震2011bの余震ではなく、余震発生中に発生した、別の大地震である事が判明する。大地震2011cの発生直後から、NCD(m,40)NCI(m,40)の振幅変動が反転しているのは、大地震2011cとその余震の震源が、深かったからである。

    東北巨大地震(2011b)の発生直前のピークは、NCD(m,40)が、20101231日のm=2183NCI(m,40)が、201139日のm=2194となり、そのピークから、急減少が始まり、311日のm=2200で巨大地震が発生した。なおm=2196310日に発生したM6.4地震(2011a)は、東北巨大地震M9(2011b)の前震であるが、巨大地震発生直前のNCI(m,40)の急減少を構成する一つの大地震でもある。急減少の解像度を更に上げる時は、移動平均個数を、40イベントより小さくする。

    最新の歪エネルギーの蓄積状態:[図6x]

    2013/3/31の状況:

    6cに表示した東北巨大地震2011b発生直後から、NCI(m,40)10倍拡大表示していたが、m=3600()で、倍率を5倍に縮小している。その箇所を、x10と上向き矢印とx5で表示してある。

    歪エネルギーは、急激に蓄積されている。

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    Last Updated : 2015/11/23 11:40